修理・メンテナンス

和洋陶器瓦の修理・メンテナンスで住まいを長持ちさせる

定期点検の重要性

瓦屋根は「半永久的に使える」とされるほど高耐久な素材ですが、実際には風雨・地震・積雪・紫外線・温度差など、さまざまな外的ストレスを長年にわたって受けています。
外見では異常が見られなくても、内部では雨水の浸入や防水層の劣化が進行していることも少なくありません。

特に和瓦は重量があるため、瓦のズレや落下が発生すると屋根や軸組(柱・梁)にかかる負荷バランスを崩す危険があります。一方で洋瓦(平板瓦やS形瓦など)はデザイン性に優れる反面、接合部や端部、谷の部分などから水が侵入しやすく、隙間や排水路の詰まりに注意が必要です。

点検のタイミングとしては、通常は5年ごと、また台風や大雪など荒天の後に行うのが理想です。
早期発見・早期修理を行うことで、被害の拡大を抑え、結果的に費用を抑えることにもつながります。


よくある不具合と修繕例

瓦屋根で頻繁に発生する不具合と、それがもたらすリスク、そして修繕例を解説します。

・瓦のズレや浮き
ズレや浮きが生じると、その隙間から雨水が侵入し、下地材や断熱材を濡らしてしまいます。進行すれば雨漏り・シロアリ被害・下地木材の腐朽などにつながり、室内にシミやカビが広がることがあります。小さな補修で済む段階を逃すと、部分補修から数十万円、場合によっては数百万円規模の大工事へ発展することもあります。

瓦のズレや浮き

・瓦の割れや欠け
小さな割れでも、強風や豪雨時に水が入り込み、天井にシミを作ったり、畳や床材を傷めたりすることがあります。
また、割れが音を響かせ、雨音が大きくなることで生活快適性が低下するケースもあります。

瓦の割れや欠け

・漆喰の劣化
棟瓦や屋根の接合部の漆喰が劣化・崩れると、瓦が不安定になり落下事故の危険性が高まります。庭やカーポート、通行中の人へ瓦が落下する可能性は、生活上だけでなく法的責任問題にも発展するケースもあります。
また、漆喰は瓦同士の固定力を高める役割があり、劣化するとズレや飛散の原因となります。

漆喰の劣化

・苔やカビの発生
見た目の美観を損なうだけでなく、湿気が瓦にこもり、劣化を促進します。また、湿気が室内に回ると湿度上昇やカビ・ダニの発生、アレルギーのリスクを高めることも考えられます。
これらの不具合は、早期発見できれば部分修繕で済むことが多く、大規模工事を回避できる可能性も十分にあります。

苔やカビの発生

和瓦・洋瓦ごとのメンテナンスポイント

和瓦(日本瓦)の特徴と注意点

和瓦は「高耐久」で、条件が良ければ50年〜100年使用できると言われることもあります。
ただし、重さゆえに地震時などには揺れの影響を受けやすく、棟瓦・鬼瓦の固定や漆喰のひび割れチェックが不可欠です。
棟瓦や鬼瓦が傾いている、漆喰にひびが入っているといった異常は、早期に点検し補修することが重要です。

洋瓦(平板瓦・S形瓦など)の特徴と注意点

洋瓦は意匠の自由度が高く、モダン住宅やデザイン住宅に好適ですが、特に瓦同士の継ぎ目・端部・谷部から水が入りやすい点に注意が必要です。
雨水の流れを妨げる苔・枯れ葉・ごみなどがないかを定期的にチェックし、表面の汚れや詰まりを取り除くことが効果的です。


セルフチェックでできるメンテナンス

瓦屋根は高所作業が伴うため、全面チェックを自分で行うのは危険ですが、地上からできるチェックポイントはいくつかあります。
日常生活の中で注意を向けられる変化を意識して観察してみてください。

  • 雨上がりに瓦を眺め、一部だけ光の当たり方が違う、瓦が少し浮いているように見える部分はないか
  • 棟瓦や鬼瓦を遠目で観察し、目立った傾きやバランスの崩れがないか
  • 漆喰部分に目を向け、黒ずみ・欠け・ひびが見えないか
  • 瓦全体に苔やカビ、藻の広がりがないか
  • 室内に入って、天井や壁にシミがないか、また雨音が以前より大きく感じることがないか

こうした体験的な観察だけでも、瓦屋根が発信するSOSに気づくことがあります。
異変を感じたら早めに専門家に相談し、被害を最小限に抑えましょう。


定期メンテナンスで得られるメリット

桐山瓦では、和瓦・洋瓦の点検から部分補修・漆喰詰め直し・棟取り直し・葺き替え・カバー工法まで、幅広く対応できます。
京都府福知山市を中心とした地域密着体制を活かし、熟練職人が住宅の状況を見極め、お客様に適したメンテナンスプランをご提案します。
定期メンテナンスのメリットは次の通りです。

  • 小さな不具合を早期に発見し、被害拡大を防ぐ
  • 補修費用を抑え、結果的にトータルコストを削減
  • 屋根・瓦・下地の寿命を延ばし、住まいの耐久性を高める
  • 雨漏りや構造的な損傷から家庭を守り、安心な住環境を維持

このように、和洋陶器瓦の修理・メンテナンスは、日常的な観察と定期的な点検・補修が非常に重要です。
屋根の小さな変化に気づけるかどうかが、住まいの寿命を大きく左右します。